不動産査定の方法は大きく分けて2つ!査定価格の算出方法や流れについて解説

不動産査定の方法を知らないという方は、多いのではないでしょうか?
この記事では査定方法を知りたい方に向けて、一般的な査定方法や査定価格の算出方法、不動産査定の流れについてご紹介します。

そもそも不動産査定とは?

不動産査定とは「家や土地などの不動産が、いくらで売れるのか?」を不動産会社に算出してもらうことです。たいていの不動産会社では無料で査定を行っています。

なぜ、査定が無料なのかというと、不動産会社は査定後に売主と媒介契約を結び、物件を売却することによって媒介手数料を得られるというメリットがあるからです。営業の一環として行うため、一般的には査定の費用はかかりません。

ただ、不動産会社により査定価格には違いがあるため、複数社の査定価格を調べるほうが良いでしょう。少しでも高めの金額でご自宅を売却できる可能性が広がります。

なお、査定価格がそのまま売却価格と同じになるとは限りません。媒介契約を結んだ不動産会社が、実際に営業活動を進めていくなかで買主が値引きを希望する可能性もあります。あくまでも、目安の金額ということを念頭に置いてください。

一般的な不動産査定の方法は大きく分けて2つ!

不動産査定の方法は大きく分けると、「机上査定」と「訪問査定」の2つがあります。

まずは、机上査定をして大体の目安金額を割り出し、依頼する方向にまとまりそうなら訪問査定をして正確に売却価格を算出するのが一般的です。

ここでは、「机上査定」と「訪問査定」の2つの方法について、それぞれ解説をします。

方法①机上査定

机上査定とは、所在地や築年数や広さなどの不動産情報から計算して金額を出す方法です。周辺の類似物件で実際に取引された価格や、国土交通省が公表している公示価格などの情報も参考にします。

ヒアリングや事前アンケートで物件情報を得るため、実際に現場に行くことはありません。メールでの査定もでき、自宅がどのくらいの価格で売却できるのかを気軽に調べられます。

不動産情報のみをもとにして算出するため、依頼してから早くて3日、遅くても1週間程度で査定価格が算出されるのもメリットです。ただし、机上査定で算出された価格は正確な価格ではなく、あくまでも概算となります。下調べとして目安の価格を知りたい場合に向いているでしょう。

方法②訪問査定

訪問査定は不動産会社の担当が実際に現地を訪れて、物件価格を正確に査定する方法です。

日当たりや風通しなどの環境や周辺施設・道路の状況、物件内部の損耗度、所有者がどんな人なのかなど、データだけでは分からない要素を細かく査定します。基本的な物件情報に実際に目でみた情報を加えられるため、さらに正確な査定価格を得られるのがメリットです。1年以内に売却することが、ほぼ決まっている方に向いているといえるでしょう。

ただ、机上査定と違い、査定にはある程度の日数がかかるのが一般的です。訪問査定自体は数十分程度で完了しますが、細かく査定するため時間がかかってしまいます。また、訪問する際には、不動産会社と売主のスケジュール調整も必要です。訪問査定を選ぶときは、スケジュールに余裕を持たせて依頼するのをおすすめします。

不動産査定価格の3つの算出方法

不動産の査定価格の算出方法には、「収益還元法」「取引事例比較法」「原価法」の3つがあります。所有している物件の種類により、適切な算出方法を選ぶことが必要です。ここでは、それぞれの特徴や算出の方法について解説をしましょう。

方法①収益還元法

収益還元法とは、対象となる不動産が「将来どのくらいの利益が出るのか?」を知りたいときに算出する査定方法です。一般的に、アパートやマンションなどの収益用物件の資産価値を調べるために利用します。ベースとなるのは家賃収入の金額です。

収益還元法には、「直接還元法」と「DCF法」の2種類の算出方法があり、それぞれ特徴や算出方法に違いがあります。

「直接還元法」とは、一定期間の純収益(1年が一般的)を還元利回りで割ることで収益価格を求める方法です。計算式は以下のようになります。

【査定額=純収益÷還元利回り】

計算の仕方が簡単なため、最もポピュラーな手法といえるでしょう。

一方、「DCF法(Discounted Cash Flow法)」は、一定の期間ごとの収益をもとに詳細に算出する査定方法です。計算式がやや複雑ですが、不動産投資信託や金融機関など正確性を求められる機関では、DCF法によって鑑定評価することが原則とされています。なお、DCF法も評価の対象となる土地は、商業地の一部に限られています。

方法②取引事例比較法

取引事例比較法は、実際に取引された事例の価格をベースにして算出する方法です。土地やマンションなどを査定するときに利用します。

査定する不動産と条件が類似する取引事例を多く集めて、いくつかを選び出し、必要に応じて売買対象地との立地条件の比較や時点修正などを行うのがポイントです。査定する物件との環境をプラスマイナスして正確な査定価格を算出します。

査定方法の計算式は以下の通りです。

【査定額=事例物件の価格×査定物件の評点×査定物件の面積】

実際に売却できた価格のため、現実味があるといえるでしょう。一般的に取引事例比較法で算出された価格は説得力のある価格とされています。

ただ、精度の高い査定価格を算出するには、なるべく多くの事例を取り上げて求めることが必要です。物件の個別性もよく理解したうえで、価格の傾向として参考にしましょう。

方法➂原価法

原価法は不動産の再調達原価(新たに新しい建物を建てたときにかかる建築費用)をベースにして、対象不動産の査定価格を求める方法です。戸建ての建物の算出によく使われる査定方法で、再調達原価から築年数分をマイナスして査定価格を算出します。再調達原価が明確に分かり、減価修正をきちんと行えるときに有効な方法です。

査定方法の計算式は以下の通りです。

【査定額=再調達原価-減価額】

建物など再調達原価が明確に分かり、減価修正が可能な不動産に向いていますが、既成市街地など再調達価格が割り出しにくい不動産には不向きといえます。ただし、対象不動産が土地のみのケースでも、再調達原価を適切に求められるときには有効です。

構造 法定耐用年数
木造・合成樹脂造 22年
木骨モルタル造 20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年
れんが造・石造・ブロック造 38年

不動産査定の流れ

不動産査定には、おもに以下のような5つの流れがあります。

  • 流れ①複数の不動産会社に査定依頼する
  • 流れ②不動産査定してもらう日時を決定
  • 流れ③依頼された不動産会社が調査開始
  • 流れ④調査に必要な書類を確認
  • 流れ⑤査定結果を報告

まずは、複数の不動産会社に査定を依頼することからスタートします。
それぞれのステップについて詳しく解説をしていきましょう。

流れ①複数の不動産会社に査定依頼する

はじめに不動産会社に簡易な査定を依頼します。
不動産会社により査定価格には違いがあるため、なるべく複数の会社に依頼をして正確な価格を把握しましょう。多すぎても比較しにくいため、大体2~3社に見当をつけて依頼するようにします。

そこでおすすめしたいサービスが「おうちクラベル」です。インターネットから約60秒入力で簡単に複数の不動産会社へ一括査定依頼ができます。不動産からの査定結果を待っている間に高精度なAIによる査定価格をその場で確認できるため、お気軽にお問い合わせください。

流れ②不動産査定してもらう日時を決定

次は、自宅の訪問査定を依頼する不動産会社を選びます。1社のみではなく、2~3社に依頼するほうが、より正確な査定価格を把握できるためおすすめです。決定したら、自宅に訪問してもらう日時を調整します。なお、空き家の場合でも現状確認のために、所有者が立ち会いを求められることもあるようです。

また、訪問査定の日程は時間に余裕を持って調整するようにしましょう。駅から遠い立地にある不動産の場合は、到着するまでに時間がかかってしまうこともありますが、正確に査定してもらうにはある程度の時間も必要です。大切な資産である不動産を少しでも高く売るために、ゆとりのあるスケジュールで行いましょう。

流れ③依頼された不動産会社が調査開始

次のステップは、依頼された不動産会社が調査を開始することです。自宅の外部や内部をくまなく調査していきます。

なお、不動産会社から聞かれた質問には正確に答えるようにしましょう。不動産について聞かれなくても知っていることがあれば、きちんと話をしておきます。たとえば、リフォームをした場所や時期など、プラスの情報を伝えるようにしてください。また、「雨漏りする箇所がある」など問題点がある場合は、マイナスの情報でも話しておかなければなりません。回答の内容で査定価格に影響が出ることもありますが、後々問題が発生する恐れもあるため正直に話すことが必要です。

流れ④調査に必要な書類を確認

不動産の査定価格を調査するのに、必要な書類を確認することも必要です。
不動産会社からは事前に必要な書類のリストを提示されるため、査定の前にきちんとそろえておきましょう。

求められる必要書類は、おもに以下のようなものです。

【調査に必要な書類】

書類の種類 備考
物件の登記済権利書(登記識別情報通知)  
本人確認書類 免許証・マイナンバーカードなど
固定資産税の納税通知書  
建築確認通知書  
公図・測量図  
壁芯面積(専有面積)が分かる資料 マンションの場合
アスベスト調査報告書・耐震診断報告書 ある場合

参考)大京穴吹不動産「不動産売却の流れや査定方法、事前に知っておきたい基礎知識

査定をスムーズに進めるために、必要な書類をあらかじめそろえておきましょう。必要書類について分からない点がある場合は、不動産会社に聞いてください。

流れ⑤査定結果を報告

最後に、不動産会社から査定結果の報告を受けます。

たいていの不動産会社では類似した物件の売却価格を参考にして、査定価格を算出するケースがよくみられます。査定価格が通知されたときには、なぜその価格になったのかを聞いておきましょう。自宅の価値を知る良い機会となりますし、今後の査定に役立つ可能性もあるからです。

査定依頼をすることにより、査定価格の妥当性や担当者の力量が判断できるため、信頼できる仲介会社が見つかる可能性もあるでしょう。査定結果はそれぞれ、机上査定は当日~3日、訪問査定は1週間程度で分かることが多いようです。

不動産査定は一括査定サイトがおすすめ

今回は、不動産査定の方法や特徴について詳しく解説をしました。

不動産査定の方法にはそれぞれ違いがあり、査定を依頼する目的や所有する物件の種類に合わせた方法を選ぶことが重要です。また、査定を依頼する不動産会社により、査定価格が高くもなれば安くなってしまうこともあり得ます。

したがって、不動産の査定をするときにはおうちクラベル「一括査定サイト」を活用するのがおすすめです。

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Q.不動産査定の方法についてよく分からないため、教えてください!
A.不動産査定は大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の方法で行われます。また、査定価格の算出方法は、「収益還元法」「取引事例比較法」「原価法」の3つが用いられます。詳しくは、本記事を参考にしてください。

Q.不動産査定って誰でもできるんですか?
A.結論、不動産査定は誰でもできます。しかし、不動産査定のために書類を集めたり立ち会いしたりしなくてはいけないことは多いため、あらかじめ準備しておきましょう。

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